運転者家族限定特約のポイント
運転者家族限定特約は、補償対象となる運転者に範囲を狭める特約のうち、その対象を家族や同居の親族に限定することで割引される特約のことです。特約をつけるメリット、また特約をつける時に注意するポイントについてまとめました。
今回は運転者家族限定特約をつけるメリット、また特約をつける時に注意するポイントについてまとめました。
家族限定にすることで保険料が節約できる
運転者家族限定特約は、主に運転する本人、その配偶者や同居の子や親族・別居の未婚の子を補償対象にいれることができ、保険料も通常より割り引かれるため、車を友人や知人に貸す予定のない方にはオススメな特約です。
自分以外の家族も補償対象になる
上記でも書きましたが、補償対象が自分以外の家族にも広がるため、「奥さんが買い物帰りに追突事故を起こしてしまった」「子供が運転していて、ブロック塀にぶつかってしまった」などのケースでもカバーができます。ただし、運転者家族限定特約で補償されるのは、同居の子や親族と別居の未婚の(婚姻歴のない)子供までである点に注意が必要です。同居であれば対象となる親族の範囲は広いものの、親や兄弟でも別居の場合や、子供でも別居で婚姻歴がある場合は補償の対象外となります。
運転者家族限定特約は廃止する傾向に
単身世帯や核家族世帯の増加で「家族限定特約」の契約数が減っていることから、この特約を廃止する保険会社が昨今増えています。実際、子供が結婚して別居すると対象から外れるのですから、この特約をつけておく意味がなくなる方も少なくないと思います。(※2022年2月現在の「運転者家族限定特約」取扱保険会社は「イーデザイン損保、SBI損保、チューリッヒ保険」といったダイレクト系損保会社3社となっています。)
運転者限定特約については家族でよく話し合いをしましょう
特約に入ることで割引がされ、家計の節約にもつながる運転者限定特約ですが、加入者のみで特約をつけるか判断をくだすのは避け、しっかりと家族に相談をしてから決めるようにしましょう。運転者家族限定特約を廃止した保険会社では、その代わりに本人限定特約や本人・夫婦限定特約を設けて相応の割引が適用されるので、これに該当するのであれば問題はないでしょう。ですが、本人や配偶者以外の方が運転する可能性のある場合には、運転者やその頻度などに応じて、以下の3つの保険加入パターンが考えられます。
- ①従来型の運転者家族限定特約のある保険会社を選ぶ
- ②運転者限定なしで契約し、運転者年齢条件特約をつけて補償される人を絞る
- ③運転者を本人や本人・配偶者に絞り、その他の方が運転する場合は適宜、その方が一日限定保険等に加入する
同居の子や親族や別居の未婚の子供が頻繁に運転するのなら、まず上記①を検討するのが得策です。
別居の親族、婚姻歴のある別居の子供、同居親族の知人や友人等が運転する可能性のある場合は、その頻度に応じ、上記②か③を検討すると良いでしょう。
CFP®
1967年生まれ。大学卒業後に入社の大手化粧品会社時代に相談業務を手がけたことを契機にFPとなる。以後、独立系FP会社、保険代理店FP部門を通じ、年間約100件の相談、約200時間のセミナー講師業のほか、執筆・監修等にも多数従事、成年後見人として福祉活動もおこなっている。最終的にお客様が選ぶ道は1つでも、「FPの付加価値として別の角度からどれだけサプライズな発想や選択肢を提案でき得るか」を信条としている。
本コラムはファイナンシャルプランナーが最近の自動車保険の動向について注意すべき点をまとめたものであり、詳細は各損害保険会社のホームページやパンフレット等をご確認ください。