加入保険会社への連絡はこうする
事故を起こしたときには、自動車保険の加入保険会社・窓口代理店に対して、すみやかに連絡をとってください。まず現場での対応が済んだ段階で一時通報し、その後正式に書面をもって連絡する必要があります。
保険会社では所定の報告用紙を作成していますから、代理店などのアドバイスを受けながら作成してください。内容としては以下のような項目になります。
事故の状況
事故の発生日時、事故の発生経緯、事故現場の住所・見取り図などです。
被害者について
被害者の住所、氏名のほか治療先がわかっているときにはその住所や連絡先、被害にあった自動車の所在などになります。
証人について
事故の証人になる人がいる場合にはその住所、氏名など。
損害賠償の請求について
被害者からすでに損害賠償の請求があった場合にはそれも合わせて連絡します。ただし示談の交渉を行うのは保険会社。事故は双方に責任がある場合が少なくないので、事故の現場で勝手に示談を行わないで、あくまでも保険会社の専門家に任せるのが無難です。
自動車保険選びは、保険会社を選ぶだけではなく、保険代理店選びも重要です。自動車保険代理店は、あなたの立場に立ってプロのアドバイスをしてくれるところをきちんと選びましょう。
自動車事故でドライバーが問われる3つの責任
自動車保険に加入していることは、カーオーナー、ドライバーとして最低限の責任ですが、実際に事故を起こすと、ドライバーは各種の責任を負います。相手にケガをさせたり死亡させると刑事上の責任が問われますし、運転免許の取り消し・停止処分などの行政処分を受けることもあります。
さらに、加害者に過失があった場合には民事上の責任として損害賠償を負うことになります。最悪の場合、高額の損害賠償を負い、免許取り消しは当然のこととして、交通刑務所行きなんてこともあります。
自動車保険は、損害賠償を負うことによって被る経済的負担を補償してくれますが、ドライバーの責任を免れるものではありません。
どのような責任が発生するのか、具体的に見ていきましょう。
刑事上の責任
過失により人にケガをさせたり、死亡させたりした場合には刑法211条により自動車運転過失致死傷罪で処罰されることになります。7年以下の懲役か禁固または100万円の罰金と定められています。交通事故以外のふつうの過失傷害は30万円以下の罰金、過失致死でも50万円以下の罰金ですが、車の運転には危険が伴うために高度な注意義務が必要とされ、罪は重いのです。
なお、人身事故ではない場合でも、他人の建造物などを破損した場合には道路交通法116条により6か月以下の禁固または10万円の罰金に処せられることになります。
行政上の責任
交通事故を起こすと行政処分の対象になります。刑事上の責任のように刑罰を負うものではありませんが、免許停止や取り消しなどになることもあるので、仕事上運転が欠かせない人にとっては刑罰と同じような重みをもっています。
たとえば、ドライバーの不注意によって死亡事故を起こした場合には点数制度の点数は20点、重傷事故は13点です。轢き逃げだとそれぞれ35点加算されます。死亡事故での轢き逃げは当然免許取り消しです。
民事上の責任
交通事故がドライバーの過失による場合には、民法709条に基づいて賠償責任を負うことになります。
被害者の人身損害のほか、車両の修理費などの物損が対象です。このうち人身損害は、死亡した場合の葬儀費、傷害の場合は治療関係費、被害者が事故にあわなかったら得られたであろう利益(逸失利益)、慰謝料などから成ります。この損害賠償に関する被害者との交渉は、
自動車保険に加入していれば保険会社が示談交渉にあたってくれます。