過失割合の判断基準

これまでの判例をまとめた書籍

信号のない交差点で出会い頭の事故を起こしてしまいました。幸いケガはなかったのですが、お互いの車が大きく凹んでしまいました。私が一時停止さえしていれば避けられた事故でしたが、「お互い保険に入っているのだから、私の車はあなたの保険で、あなたの車は私の保険で修理しましょう」ということになりました。ところが、保険会社に事故報告を入れると、過失割合は「(私)7対(相手)3」といわれ、「7割以上は支払えない」とのこと。いったい過失割合というのは何を根拠に決められるのですか?

損害賠償の基本的な考え方として、たとえお互いに保険をかけていても「お互いの損害を100%ずつ払いあいましょう」ということはしません。どちらにどのくらいの過失があって起こった事故なのかを「過失割合」というパーセンテージで表し、その割合にしたがってお互いが相手に支払う賠償金の額を決めていくのです。ですから、事故現場では相手と安易な約束はしないほうがよいでしょう。

「過失割合」は、保険会社が勝手に決めているのではなく、過去の裁判例を参考にして判断されます。つまり、これまでの判例に従って、最もよく似たケースに当てはめていくというわけです。

ワンポイントアドバイス
  • 過失割合の根拠は『民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準』(判例タイムス社)という本に書かれています。大きな書店の法律コーナーにありますので、過失割合に納得できない場合は、自分なりに他の判例を探してみましょう。

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