趣味・レジャー
スポーツ保険は1日から加入できる?適用できないケースもあることを理解しよう
野球、テニス、登山、スキー......どんなスポーツにもケガやトラブルは付き物です。そんなときの強い味方になるのが「スポーツ保険」です。どのようなリスクに備えることができるのか、保険の種類や加入できる条件などを解説します。
スポーツ保険とは?
スポーツ保険は、スポーツ中に自身がケガをした場合に補償される「傷害保険」や他人にケガをさせたり物を壊してしまったりした場合に補償される「賠償責任保険」があります。
スポーツ保険が備えることができるシーン
スポーツ保険に加入することで、例えば以下のようなシーンに備えることができます。
- スポーツ中に自分がケガをしたとき
- スポーツ中に誰かにケガをさせたり他人の物を壊したりしたとき
- スポーツ中の事故が原因で突然死してしまい、親族が葬儀費用を負担したとき
- スポーツ中に持ち物が壊れたり、盗難にあったりしたとき
- スポーツ・レジャー中に遭難してしまって捜索や救助を受けたとき
すべてのスポーツ保険が5つの補償に対応しているわけではありません。特定の補償だけを選択することができる保険も存在します。自分に必要な補償内容を見極めて適切に加入しましょう。
スポーツ保険の種類 「団体向け」と「個人向け」の違いとは?
スポーツ保険には、団体で加入するタイプと個人で加入するタイプの2種類があります。
(団体向けのスポーツ保険)
団体で加入するスポーツ保険の例として、公益財団法人スポーツ安全協会の「スポーツ安全保険」があります。この保険はスポーツ活動やレクリエーション活動などを行う4名以上のアマチュアの団体が加入することができます。団体でひとつの保険に加入するため各メンバーが手続きをする必要がありません。
(個人向けのスポーツ保険)
これに対し個人向けのスポーツ保険は、一人1契約もしくは一家族1契約が基本です。ゴルフやテニスなど1人でスポーツをする場合や夫婦や家族など少人数でスポーツをする場合にはこちらを選択します。
個人向けのスポーツ保険は、民間企業が「スポーツ・レジャー保険」といった名称でサービス提供しています。種類が豊富で自分に合ったものを選びやすく、加入も簡単です。
補償期間は1日からのタイプも
スポーツ保険は保険の種類や契約によって、日単位、月単位、一定期間などから選ぶことができます。
年に数回しか該当のスポーツをしないのであれば、必要なタイミングで単発加入するタイプが良いでしょう。1日あたり数百円程度と、負担感の少ない保険料で加入できます。
スポーツ保険の補償内容
冒頭で簡単に触れたスポーツ保険の補償内容について詳しく解説します。
スポーツ中に自分がケガをしたとき(傷害保険)
自分が負傷した場合に備えることができます。ケガの状態によって以下のように分かれています。
- 死亡
- 後遺障害状態
- 入院
- 手術
- 通院
保険会社によって補償できる範囲が異なるため契約内容をよく確認しましょう。保険金額はそれぞれ「日額〇〇円」や「一泊二日〇〇円」といった形で設定されているケースが多いです。
スポーツ中に他人にケガをさせたり他人の物を壊したりしたとき(賠償責任保険)
自分ではなく他人に損害を与えてしまった場合に備えることができます。自身のケガに対する補償と合わせて、ほとんどのスポーツ保険にセットされています。保険金額は「1事故あたり〇千万円」といった形で設定されているケースが多いです。
途中で突然死してしまい、親族が葬儀費用を負担したとき(突然死葬祭費用保険)
急性心不全や脳内出血などで突然体調が悪化し、そのまま亡くなった場合に備えることができ、保険金は親族に支払われます。「スポーツ安全保険」などに見られる補償で、当該保険では葬儀費用として180万円を限度としてその実額が受け取れます。
持ち物が壊れたり盗難にあったりしたとき(携行品損害保険)
持参した道具などを誤って壊してしまった場合に備えることができます。盗難に遭ったり紛失したりした場合も対象になることが多いです。
遭難で捜索や救助を受けたとき(救援者費用保険)
海や山で遭難してヘリコプターなどで救助を受けた場合の費用負担に備えることができます。救助してもらった後日、数十万円~数百万円の費用を請求されることもあります。
スポーツ保険の選び方、5つのステップ
自分に合ったスポーツ保険を選ぶにあたって、以下5つのステップを紹介します。
1.加入者を決める
団体向けのスポーツ保険に加入するか、個人向けのスポーツ保険に加入するかを決めます。
個人向けのスポーツ保険のなかには、自分だけが補償の対象になるタイプと家族も含めて補償できるタイプがあります。「誰が、誰と」スポーツをするのかに合わせて選びましょう。
2.補償内容を決める
スポーツ保険ではさまざまなリスクに備えることができます。自分のケガ、相手のケガ、自分の物、相手の物など、「何に対して、どのようなシーンで、どこまで補償したいか」を決めましょう。
スポーツ保険のなかには、どんなスポーツにも幅広く対応できるものもあれば、ゴルフ用、アウトドア用、マリンスポーツ用など、一部のスポーツだけに特化した保険も存在します。
特化している保険は対象が限定される分、保険料を安く抑えることができます。また、ゴルフの「ホールインワン費用」などそのスポーツ特有の補償を付けることもできます。
基本的に、「いくつものリスクに対応できる」「いざというときにもらえる金額が大きい」など手厚い補償を選ぶほど、保険料が高くなります。
それでも迷ってしまうという方は、自分だけでは支払えないリスクについては確実に補償を付けておくようにしましょう。数百円〜数千円を支払うことで、万が一に備えた「安心」を買うことができます。
3.加入している保険の補償内容を確認する
必要な補償内容を決めたら、現在加入中の保険があれば、補償内容を確認しましょう。
自分のケガについては医療保険や傷害保険で対応できるかもしれません。
また、相手や相手の物を傷付けてしまうことが不安という方も、もしかすると自動車保険や火災保険でカバーできるかもしれません。「個人賠償責任特約」や「日常生活賠償特約」という特約が付いていないか確認しましょう。
これらの特約は、自動車事故や火事ではなくても利用でき、日常に起こる損害賠償リスクに備えられます。例えばスポーツ中に相手を傷つけたとき、会場に向かう途中で自転車事故を起こしたとき、ボールを遠くに飛ばしすぎて人の家のガラスを割ったときなどにも使える可能性があります。
4.クレジットカードの付帯内容を確認する
忘れがちですが、クレジットカードのサービスの一環として保険が付いている場合があります。
たとえばドコモの「dカードGOLD」には「海外旅行保険」や「国内旅行保険」が最初からセットされており、「dカード」にも29歳以下の会員を対象にこれらの旅行保険が付帯されています。
「旅先でスポーツを楽しむ予定で、自分のケガが心配」という方なら、スポーツ保険に加入しなくてもカードに自動的に付帯されているもので充分かもしれません。
5.補償期間を決める
スポーツをする頻度に応じて、保険が必要な期間について決めましょう。
同じ「1日」という表現でも「24時間」の場合もあれば「1泊2日」の場合もあるため契約内容の確認が必要です。スポーツをする頻度が高ければ「1ヵ月単位」で契約できる保険を選ぶことも検討しましょう。
スポーツ保険で補償されない4つのパターン例
スポーツ保険が適用されない(保険金が受け取れない)場合についても知っておきましょう。スポーツ保険は手頃な保険料でさまざまなリスクに対応できる便利な保険ですが、以下のような場合は基本的に補償の対象になりません。
1.慢性的なケガや病気によるもの
スポーツ保険でケガの補償の対象になるのは「急激」で「偶然」な「外来」の事故とされています。この3つの条件をすべて満たすケガでないと対象になりません。例えば以前から抱えている持病や慢性的なケガなどは対象になりません。
2.被保険者が法的な損害賠償責任を負っていないとき
被保険者とは「保険がかけられている人」のことです。相手や相手の物を破損したリスクに備える保険は、あくまで「法的な賠償責任を負っている」場合に限り対象になります。
スポーツ安全保険の公式サイトでは、法的な賠償責任が発生しないと考えられる例として「サッカーで蹴ったボールが相手に当たり、ケガをさせた場合や掛けているメガネを破損させた場合」を挙げています。
3.法律違反や事故のリスクを高める行為によって発生したケガ
被保険者が故意で起こしたケガや自分の犯罪行為に起因するケガなどは補償の対象外です。
4.自然災害によるもの
スポーツ中に発生した地震・噴火・津波などが原因のケガも対象から外れます。
スポーツ保険を活用してレジャーを思いっきり楽しもう
スポーツ保険は、自分や相手のケガや物損などスポーツに関連したさまざまなリスクに備えられる保険です。1日単位で加入することができるなど、柔軟に補償内容を選択できます。ただ、保険の対象にならないケースも複数あるため、事前に確認したうえで利用しましょう。
※ 本記事は2021年2月19日時点の内容であり、将来の商品改定によっては内容が変更になる可能性がございます。