人のバイクを大破させてしまったのに、対物賠償保険で修理費が全額補償されないことがある?
相手方のバイクが年代物だった
林さんは、ある日の夕方、勤務先からバイクを運転して帰宅途中、交差点で停車中のバイクに追突してしまい、大破させてしまいました。
さいわいなことに自分も相手もかすり傷程度で済んだのですが、林さんが大破させてしまったバイクは、長年乗っていた大変愛着があるものでした。林さんは保険会社に事故の連絡をして、翌日担当者から連絡があったときには、「停車中のバイクに追突したのですから林さんに100%の過失がありますので、対物賠償保険から全額補償されます」と言われたので、すっかり安心していました。
対物賠償保険で修理費が全額補償されない??
数日後に、相手から「大事なバイクの修理に50万円もかかるのに、おまえのところの保険会社は25万円しか出さないと言っている。保険会社が出さないなら、不足分の25万円はおまえが出せ!」とすごい剣幕で電話がかかってきました。
林さんは、「保険会社に任せているので、保険会社と相談してください」と言いましたが相手は納得してくれず、何度も会社に電話がかかってくるため、仕事にも支障が出てきています。相手は、「払わないと裁判を起こす」と言っているため、林さんはとても不安です。
被害車両が古いバイクの場合、しばしばこういうケースがあります。バイクの価値は、年式等によって時価額が変わるため、古いバイクの時価額は外観はピカピカでも意外なほど低くなることがあります。被害者が過失ゼロの場合、被害車両の修理費は、通常対物賠償保険で補償されますが、修理費の方がバイクの時価額よりも高かった場合には、保険金の上限はバイクの時価額となります。
ここで役立つのが対物超過修理費用補償特約
このような場合は、対物賠償保険でこれ以上補償することはできませんが、対物超過修理費用補償特約をセットすると、相手のバイクの修理費がその時価額を超過したときに、この差額について、50万円を限度に保険金を支払うことが可能です。
※相手側にも過失がある場合には、自己過失分のみであることは、対物賠償保険と同様です。
対物超過修理費用補償特約が付けられるのは三井ダイレクト損保とチューリッヒ
ドコモスマート保険ナビが取り扱っているバイク保険ですと対物超過修理費用補償特約(チューリッヒ保険の場合は「対物差額修理費用補償特約」)が付けられるのは三井ダイレクト損保とチューリッヒ保険になります。補償内容等は引受保険会社によって異なりますので、詳細は各社ホームページでご確認ください。